(前編を見ていない人はそちらから観ること)
自分なりの5人組・5種類のもの(ex.お菓子の詰め合わせ)を考えてみてください。
今回は、スーパー戦隊シリーズの5人のフォーマットのよくある失敗を考察してみよう。
私は、漫画家やアニメーター、ゲーム作家を目指す学生を教えてきた。
しかし、5種類をうまく作れる学生は少なかった。
コント番組の1コーナーである。
スーパー戦隊シリーズの理解とともに、ダウンタウンがなぜお笑い芸人として凄いかということも理解できる。
今の大学生がダウンタウンをテレビで観ると、司会者として捉えてしまう。
なぜか若手のお笑い芸人に大物扱いされているが凄さがわかりにくい。
しかし、お笑い芸人として毎週コントを作っていたのである。
クリエイター志望の学生を指導するときに、ダウンタウン浜田とほぼ同じことを言うことになる。
絵が上手い学生でも、自分の好きなキャラが2種類くらいしかない。
このコントでは赤と黄色しか描くことができないわけだ。
前編で言ったように、スーパー戦隊シリーズの凄さは「子供からお年寄り」まで違いが把握できるところである。
「実は性格がキザ」などは伝わらないのである。
5種類の味のお菓子を発売した場合、食べてみてようやく特色がわかるようでは誰も買ってくれない。
(2話目)
5種類作れない場合、次によくあるのが他の作品のキャラを混ぜてしまうことである。
ドラえもん、のび太、ジャイアンにドラゴンボールの悟空とベジータを足してしまうパターンである。
こうすると世界観がちぐはぐになってしまう。
バイオリン、チェロにエレキギター、エレキベースを混ぜてしまうようなことだ。
また、オプション(付属品)も重要で、キャラと同じ色・性格にするとより色分けが際立つ。
(3話目 )
ここでようやく5色に分けることができた。
しかしここでの問題は「自分が5分の1だということを分かってない」ということだ。
各々が個性を出そうとしてしまっている。
赤のノースリーブも必然性の無い個性である。
このあたりで学生を相手にする教員(ダウンタウン浜田)も、いくら言ってもわからないので、「一回好きなのやってこい」と言うことになる。
(4話目 )
フォーマット(形式)が無いとこうなるといういい例である。
全て自由にしてしまうとグループとして成立しない。
(5話目 )
ようやく5色に分けることができた。
しかしフォーマット(形式)を崩して形で個性を出そうとしている。
これはやりすぎということになる。
ポテトチップスを5種類つくるときに、パッケージの大きさや形を変えてしまうようなものだ。
ヤマザキパンのランチパックは何種類もあるが、大きさやパッケージの形状は同じである。
形も変えてしまうとその違いに目が移って区別しにくくなるのだ。
自分が考えた5人組・5種類のものはうまく作れていただろうか。
これはサブカルチャー作品のみならず、社会に出た後の仕事にも通じる話である。
そして、売れっ子のお笑い芸人の着眼点がいかに鋭いかが理解できたと思う。
スーパー戦隊シリーズの本質をわかった上で、コントとしてうまくズラしている。
どのジャンルでもトップに立つ人というのは、このようなことを直感的に理解し、自分の作品として表現できる人なのだ。
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以上。