スーパー戦隊シリーズ 前編
日曜朝に放送されている「スーパー戦隊シリーズ」というものがある。
元祖は1975年の『秘密戦隊ゴレンジャー』である。
この、5人を色分けしたフォーマットが素晴らしかったため現在でも続いている。
映像は古く感じるが、メンバーの構成は今でもすぐに分かる。
赤→リーダー
青→サブリーダー、(エース)
黃→力持ち、カレー好き
桃→紅一点
緑→ルーキー(この緑の性格付けだけあいまい、後の作品でもふんわりすることになる)
「5人」かつ「色分け」ということが、小学生までの子供にも区別がつきやすいという大きなメリットがある。
後に、女2人の『バイオマン』が誕生する
また、ブラック(一匹狼、サブリーダーではなく赤と対立する)やシルバー(一騎当千、一人で五人と同じくらいの力を持つ)といったバリエーションが生まれる。
このフォーマットは海外にも輸出され『パワーレンジャー』として人気を得ることになる。
特筆すべきは、変身前の俳優が演じているシーンと変身後の特撮シーンを明確に区別することができるため、現地の俳優を使い別撮りを行い、特撮シーンのみ日本版を流用していることである。
日本版『侍戦隊シンケンジャー』(レッドは松坂桃李)
海外版『パワーレンジャー SAMURAI』
30分番組の半分の実写パートだけを撮影すればよい。
5人のフォーマットが人種の多様性を表現することにも寄与している。
さらに、日本版『侍戦隊シンケンジャー』では、赤=リーダーというフォーマットを利用して、本当のリーダーとはなんなのか、赤であれば自動的にリーダーなのかというテーマを描いている。
それはこのフォーマットが優れているからこその題材である。
フランスではファンが同人作品を作っている。
主題歌は本物にお願いしている。
これはスーパー戦隊シリーズのフォーマットを非常によく理解している。
赤→フロマージュ(チーズ)
青→ワイン
黃→バゲット(フランスパン)
桃→アラモード(流行という意味、ファッション)
白→これだけよくわからない
さらに女児向けアニメにも影響を与えることになる。
『プリキュア』シリーズ
当初は、黒と白の対照的な二人組、いわゆるバディもの(ダーティペアなどの影響)であったが、『YES!プリキュア5』から、5人組になった。
ここからは、アニメ・特撮作品以外にも考察を広げてみよう。
このスーパー戦隊シリーズのフォーマットは、5人という数、色分けということが、小学生までの子供にも理解しやすいということがメリットであった。
子供にわかりやすいということは、高齢者(60歳以上をイメージ)にもわかりやすいということになる。
日本において国民的アイドルとなったのは、昭和のドリフターズ、平成のSMAPである。
ここで言う国民的アイドルとは、「子供からおじいちゃんおばあちゃんまで知っている」という意味である。
ドリフターズは『8時だョ!全員集合』という番組で、平均視聴率27.3%、最高視聴率50.5%を叩き出した。(5人のバランスが重要)
いかりや長介、加藤茶、志村けん、高木ブー、仲本工事、の5人は日本人なら誰でも知っていた。
SMAPはジャニーズの中でも異色である。
ジャニーズの中でメインではなかったため、歌だけでなくバラエティ番組もこなすことになる。
そのことがドリフターズと同じように、老若男女に知られることになる。
バラエティ番組の中で『音レンジャー』というモロにスーパー戦隊シリーズを模したコントを行っていた。
最近では、ももいろクローバーがわかりやすい。
有名になり始めた頃は6人・色分けグループだった。
そこで青が脱退。5人の「ももいろクローバーZ」となる。
この時代にブレイクする。
5人バージョン。5人編成が一人ひとりを区別しやすい。
現在は緑が抜けて4人組になっている。大人になったという面もあるが、4人組になると5人のときのような色による区別が必須ではなくなる。
次回後編に向けて、自分で5人組・5種類のものを考えてみよう。
・バンド→5人編成が多い。楽器がそれぞれ異なるので考えやすい。誰をリーダーにするかで、同じ構成でも変わってくる。
・バスケ→1チーム5人のものは考えやすい。例:スラムダンク、黒子のバスケ
・自転車競技→弱虫ペダルのように、明確に役割分担がある競技はやりやすい。
・お菓子→ポテトチップスを5種類同時発売するキャンペーンを任されたと考えてみよう。洋菓子・和菓子の場合、一つの箱に5種類詰め合わせると考えてみる。
などなど、漫画・アニメ作品だけでなく、将来自分が仕事で関わりそうな分野で考えてみることが重要である。
大事なのは「老若男女が一発で把握できること」。
説明しなくては理解できないものは、企画として失敗である。
(以上は課題ではありません。
次回後編は、失敗のよくあるパターンを検証するので、考えてみてください。)